たくさんの方が来てくれました!!
一番印象に残ったのは、『(その国に)定住する子、一時的に滞在する子で区別するのではなく、どの子にも「複数言語で成長した自分」ときちんと向き合わせ(意識をもたせ)、複数言語との距離感を調整する力を自分で持てるように(サポート)することが、アイデンティティ形成にもつながる』という指摘でした。
確かに定住する子は、生きる軸は見つけやすいです。進学、就職、そのためにはどの言語が必要か、何をしなくてはならないかなど、具体的に描くことができます(もちろんそれは並大抵のことではありません。想像を絶する苦労です)。指導者も腰を据えて指導するでしょう。母語に対する姿勢も決まってきます(必要ないというのは困りますけど)
しかし滞在型、つまり2〜3年外国で過ごす子は、必死になって勉強した言語は帰国したら必要ない(から忘れてしまう)、外国にいる間どうしても母語がおろそかになる。どっちつかずで何とも中途半端な状態になってしまいます。いつか「あの苦労はなんだったんだろう」と思うかもしれません。加えて多くの親は、そんな子どもの状態を理解しきれない(自分に経験がないのだから)。
川上先生の言葉を聞いて、私は滞在型の子どもに対する時、心のどこかに「この子は数年したら帰国するんだから・・・」という気持ちがあることを痛感しました。でも、それは全く持って私の方の都合なんですね。子どもにとって、どんな1年、どんな2年でも、本当に大切な時間です。おろそかにして良いなんてことは絶対にありえない。
最近、小学校の4〜6年をアメリカで過ごしたわが子(今は20歳を超えた立派な(?)大人になっています)から、こんなことを言われました。
「自分のホームタウンはアメリカのあの町だと思っている。それくらい自分には、あの体験は強烈だった。私のことを見ても、子ども時代の数年間の経験が、その子にどれほど大きな影響を及ぼすかわかるでしょ。U18の子どもたちにも、そういう子はきっといるよ」
その子の中に「複数言語で過ごした時代」というのは必ず残り、むしろ大きな影響を及ぼしている。だからこそ、それに向き合える心を育てる(支援する)べきだという川上先生の言葉は、まさに私に向かって投げかけられたものだったのかもしれない・・・(♪)