2013年7月25日木曜日

大人の日本語教室繁盛中!!

 前回の書き込みで、U18に来る16才以上の子どもたちを、東広島市がおこなっている日本語教室にも誘っているという話を書いた。東広島市にはいろいろなスタイルの日本語教室がある。教室型(日本語教師が教える)、おしゃべり型(ボランティアとの交流のなかで日本語を学ぶ)、One to One (個人レッスンスタイル)などだ。これだけバラエティーのある学びの場を、行政が主体となって用意している自治体は、全国的にも珍しいと言われている。

 昨日はその一つ、毎週水曜日夜開催のおしゃべり型教室へ行ってきた。学習者、ボランティアともに10人ほどの参加者で,狭い教室がちょうど満杯という感じ。男女比は6:4くらいで、男性優位である。人数のバランスが良かったのでほぼ1対1となり、どのペアも話が弾んでいた。U18の16才以上組、W君も黙々と勉強していた。
 昨日参加して、あらためて感じたのは、ホントに世界中いろいろなところから東広島に人が来ているんだなあということ。アメリカ、ナイジェリア、ケニア、スリランカ、イラン、中国、内モンゴル(国籍としては中国)。留学生、家族滞在、技能実習生など来日理由も様々だ。
 多様性という面では、日本語のレベルも同様だ。日本に来て1ヶ月経たないビギナーから、N1受験者までいる。当然、とりあげる話題もさまざまになる。昆虫(蚊、ゴキブリ、カブトムシなど)という、日頃あまり取り上げないテーマで話したグループは、ボランティアからホウ酸団子の作り方を教わっていた。カラオケでいつも英語の歌を所望されてちょっとうんざりしているという人もいた。ビギナーのいくつかのペアは、日付の言い方(23日:23にち、3日:みっかとか、これってホントやっかいだよねえ)に四苦八苦である。
 さらにこの水曜日クラス、最近の特徴は、ボランティアに若手(?)男性が増えていることだ。 日中(午前中)のクラスは、学習者、ボランティアともに女性、主婦層中心になりがちだ。男性が来るとどうしても「めずらしいね」という雰囲気になるし、圧倒的多数の女性のなかでは、居心地もイマイチである(もちろんとても大切にされるんですけどね)。
 日本語教室は人が集まってナンボだから、みんなが集まりやすい時間というのは、教室運営という面では大切な要素だと思う。それでも、単に『集まりやすい時間』というだけでは、これだけの人は集まらないだろう。夜の教室へ行くには、1日の仕事や研究を終えてホッと一息というところで、もう一回疲れた身体と頭にムチを入れなくてはならない。普通なら「あ〜めんどくせぇ〜」である。それでも水曜教室にはみんなが集まってくる。あの多様性、それを認めて受け入れて楽しむことのできる人たち、加えて若手パワーとシニア世代の経験値が適度に混ざり合っている。魅力ある参加者がいるから教室の雰囲気がよくなり、雰囲気が良いから人が集まる。実際、昨日も同じアパートに住む人を引っ張ってきた人がいたり、わざわざお菓子をもって帰国の挨拶に来てくれた人もいた。
 地域日本語教室とは、参加者が創っていくものなんですね(
 
 
 

2013年7月23日火曜日

夏休み!!でも夏休みの『無い』子どもたちもいます

 このところ更新が滞っていました(汗)が、その間に子どもたちは待望の夏休みに入りました。何人かの子どもたちに、学校から渡された宿題リストやスケジュールを見せてもらいましたが、やはり結構な量の宿題が出ていますね。ということは、今年もU18は暑い夏になりそうです。なんと言っても夏休みの活動はU18の原点(2010年の夏休みから活動がスタート)ですから、ヤッチャル一同気合いのはいるところではあります。ただし・・・今年はちょっとスケジュールを変更しました。7月中はいつも通り火曜日の夕方(7/23と7/30)、8月が夏休みバージョンで月、水、金の午前中(9:30〜11:30)です。7月中は大学生が試験期間で参加が見込めない、子どもたちも補習やプールなど登校する機会が多い。というわけでこのようなスケジュールになりました(詳しくはホームページの年間スケジュールを見てくださいね)。
 
 ところで最近のU18は、学校の夏休みに関係のない子が増えています。16才以上で来日し、どこへも通っていない子どもたちです(母国ネットワークで得たアルバイトをしている子もいます)。現在、常連が4〜5人、来日理由は様々ですが、全員日本語はイチからのスタートです。日本語を覚えたら専門学校に通いたい、日本語を覚えたら働きたいなど、それぞれ希望は持っています。でも、日本語を覚えるのにどれほどの時間がかかるのか、言い換えると『どれほど努力しなくてはならないか』をわかっている子はいません。さらに本国での高卒資格を持つ子もいませんから、いくら専門学校進学を希望しても、受験資格そのものが無い場合もあります。壁はあまりにも厚い。

 そんな子どもたちに対して、私たちは何ができるのでしょうか。最近 があるところで、こんなことを書いていました(未発表です)。
「外国につながる子どもに必要不可欠の支援の中には、学校や家庭では難しいものがある。だから地域での支援が大切なのだ」
「 16才以上で来日し、高校へも行けず、日本社会とつながりを持てない子もU18にやってくる。こういう子の多くは日本に永住を希望するが、その日本語力や経歴から見て満足な仕事に就ける可能性は極めて低い。そうなれば本人だけでなく、
日本社会も大きな負担を背負い込むことになる
このような子どもたちの居場所をつくり、日本語学習の機会を提供する。いろいろな相談に乗り、将来設計をともに考える。これらもU18の大切な活動になってきている」

 そうなんですね。スタート時点では、活動の柱は日本語と教科学習のサポートでした。今、あの時にいなかった(と言うか拾えてなかった)子どもたちが増えています。ヤッチャルとしてはできること『U18だけでなく、東広島市でおこなわれれている日本語教室にも参加を促し、日本語の基礎を学ぶ場を提供するとともに、社会とのつながり、そして仲間のいる居場所をともに創っていく』からやっていこうと思います(

広島の風景:厳島神社の鳥居(2013/07/09)

広島の風景:厳島神社の結婚式で奉納された舞(2013/07/09)