2015年3月27日金曜日

いつもそばにいるよ

 もう桜の便りがあちこちから届き,新学年も目の前に迫っています.学年の変わり目は,何かと慌ただしいのですが,U18の子どもたちにもいろいろな動きがあります.そんなU18の近況を,ボス()からのメッセージ(定例活動通信)で紹介しましょう.

「3月は毎年お別れの月です。
今日はインドネシアの3姉弟(Aさん,G君,D君)が,3年間の滞在を終えて広島を旅立っていきました。早朝の旅立ちでしたが,苦楽を共にした仲間がみんな(インド,ベトナム,中国,フィリピンなど.なんと多彩な顔ぶれか!),空港に見送りに行きました。末っ子のD君は「また会おうね」というと「うん、たぶんね」という返事。Aさんは朝涙を見せていたものの、空港では笑顔でした。G君が一番さびしそうにしていました。空港へ行く前は,登校途中の友達が数名お別れに来てくれました。彼はすっかり日本の学校になじんでいたので、日曜にはみんながお別れ会を開いてくれたそうです。いろいろなことがあった3年間だったけど、3人とも大きく成長しました。また会える時がきっと来るでしょう!


 U18には家庭的に恵まれず、いろいろな困難にぶつかる子がいます。家庭環境によって子どもたちの人生は大きく変わっていきます。今日見送りに来たKさんもその1人です.来日以来,次から次へと問題を持ち込んできます.
 今日、空港で帰国を前にして、3姉弟のお父さんがKさんに「インドネシアに帰っても君のことはずっと心配している。君の親がどうであれ、あの人は君の親だ。家庭環境が悪くても、道を切り開くのは君自身だ。ネガティブなことばかり考えずに、もっと未来を見よう。未来は君が作るものだ。インドネシアでもいつも君のことを考えているよ。」と励ましていました。この言葉に私自身もジーンとしてしまいました。Kさんは、涙をぽろぽろ流しうなづいていました・・。親との関係が子どもの精神状態をひどく不安定にすることがあります。「あなたは一人ぼっちじゃない」というメッセージを送り続けることが大切だとこのお父さんの言葉を聞いていて思いました。

朝の見送りを終えて,夕方は定例活動でした.


 中国のKさんが久々に参加。工場が暇になって自宅待機になったので、やってきたとのこと。こうやって時々やってくる子どもたちを大切にしたいと思います。

 今日はもうひとつ,とてもうれしいことがありました。20歳になった中国のC君が県立高校の定時制に合格しました。彼にはしたい仕事があり、派遣会社を通しての仕事では、その夢にはたどり着けないと思い、一大決心をして高校を受験したのです。20歳になると科目試験が免除され、面接と作文だけで合否を判定されるから、入れるかもしれないと思ったそうです。
 この前の日曜には中国語で書いた作文を持ってきたので日本語に直し、それを覚えて試験に臨んだら見事合格!本当に良かったです。こんなニュースがあると子どもたちと付き合ってきてよかったなあ・・と思います。C君の今日の笑顔はとっても素敵でした。

 私たちは、いつもあなたのそばにいるという信号を発信し続けることがたいせつなことだと、今日一日考えたことでした。」

私たちにできるのは,ホントに小さなことなのですが,それが少しでも子どもたちの心に残っているのならとても嬉しいです(


追伸:このほかにも高校合格の嬉しいニュースがありました

ペルーから小学校低学年で来日したM君:全日制普通科に合格.この地域では名門(?)高で,U18からこの学校へ合格者が出たのは初めてです.
ボランティアのMさんが中学で担当したOくん(中国):全日制普通科へ合格.この学校へは,昨年U18関係の子どもが4人合格しています.仲間がたくさんいるので心強いことでしょう
 
離陸!!(広島空港20150326)