2011年11月16日水曜日

どしたん?

 昨日(15日),久しぶりに大人の日本語教室に行った.学習者とペアでおしゃべりしながら日本語を学ぶスタイルだ.今日のパートナーは日系ブラジル人のMさん.勉強を始めてまだ数ヶ月.『日本語これだけ』(テキスト)を使って「元気ですか?」「いそがしいです」「ねむいです」などを練習した.


 身体の調子を聞くフレーズをいくつか学ぶ中で,私は何気なく「どうしたの?」「どうしましたか?」と聞いてみた.超基本フレーズだし,職場でもしょっちゅう聞いているに違いない.このくらいならわかるだろう.しかしMさんは首をかしげている.「疲れましたか?」「ねむいですか?」「頭が痛いですか?」など,ジェスチャー混じりで具体的に聞けば理解できるのに,こういうつかみ所のないフレーズは案外難しいようだ.何かいい手はないものか・・・はたとひらめいて苦し紛れで言ってみた.
「どしたん?」
広島弁ネイテイブでない私でもこれなら言える(イントネーションに自信はないが).Mさんが,ああ!という顔になった.これならわかると言う.会社でいつもそう言われるのだそうだ.なるほど,Mさんの周りにあるのは,生きた“広島の”日本語なのだ.こりゃ,テキストには書いてないわ.


 じゃけん,どしたん? 来ちゃったですか,いけんのんよ〜,いたしい,いらう,えっと,みてる,はぶてる,たいぎい・・・Mさんの周りには,テキストに書いてない言葉がいっぱいあるにちがいない.Mさんが次にどんな言葉をキャッチしてくるか,なんだか楽しみになってきた(