タイトルは「しごとしっとこU18」
(仕事や将来についてみんなで考えようという一泊の合宿活動です)
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しおりの表紙です |
<その1>どうしてこの活動をすることになったのか?
日頃,外国につながる子どもたちとつきあっていると,かならず向き合わなければならない課題があります.
「将来何になりたい?」(つまり,どういう仕事をしたいか,ということです)
これまで幾度となく,あるときは何気なく,あるときは真剣に,子どもたちに問いかけてきました.子どもたちの答えには,なんとなく共通のにおいがあるように思います.
①夢はあるけど・・・バージョン
「サッカー選手!」(16才だけど部活にも地域のチームにも入っていない)
「歌手!俳優もいいなあ」(15才だけど楽器や音楽の経験ゼロ)
*幼稚園のころは,よくこういう夢を語りますが,さすがに高校受験の面接の答えがこれだった時,わたしは正直言って頭を抱えました.
②現実しりすぎ(?)バージョン
「そんなの考えたってしょうがないよ.どこに住むかわからないし・・・」(これを聞くと,何とも言えない気持ちになります)
「通訳!」(よく聞いてみると,外国人の多い職場のリーダーという意味だった)
*通訳ということばに,初めは面喰らいました.『通訳』がどんな仕事か,全くわかってないじゃん.でもよく聞いてみたら,アルバイト先で「自分に指示を出す人」のことだったわけです.
「今,月給30万(肉体労働)だもん!いいよこれで」(目の前しか見えてない)
*「何才までやるの?先生の年齢になったら,きついと思うけどなあ」と聞いたら,予想外だったようで考え込んでいました.
ほかにもいくつかありますが,典型的なのはこんな所でしょうか.日本人の子なら15才にもなれば,自分の実力が見えてくるのではないでしょうか?俳優になりたいなら「アクターズスクールに入らなくちゃ」とでもいうような,現実的な道を考えはじめるかもしれません.
こんな子どもたちに対して,なにかやってみようかなと思って立ち上げたのが,今回の「しごとしっとこU18」だったわけです.
ところで,ヤッチャルは2010年から活動を開始し今年で8年目です.その間,3回(2013,2016,20017)マツダ財団の助成をいただきました.「しごとしっとこU18」もそれがあったからできた活動です.
昨年末,2017年度の申請書を書いているとき,過去2回の報告書を読み返しました.そこで改めて発見したのが2013年の報告書に書かれていた言葉です.
2013年は通常活動に関して支援をいただきました.その反省と今後の展望(希望)として
「(子どもたちが)将来の目標を持つことにつながる活動(職場体験,先輩との交流会など)を行い,子どもたちの日本社会での自立を促すこと」
2013年の時点でそれを見通していた代表(♪)の目の確かさには頭が下がります.
子どもたちが,今回の活動で何を感じたか,それを今後どうサポートしていくか,課題はたくさん残っています.それでも『子どもたちの自立』に向けて一歩を踏み出すことができたのは,大きな収穫だったと思います.
次回は,実際の活動レポートを書きますね(^_-)